今日は2月5日金曜日です。
今日の一言【任せること、期待すること】
さて、今日のネタは、だいぶ以前にネタにしたこともある、ある社長さんの口癖です。
それが、今日の一言“じゃ、任せたからな”この会社さん、小さな会社ですが、大企業相手に直接商売をしており、この時代にあって、売上がビクともしない会社ですが。。。この会社の社長さん、
ー 体が大きい
ー とても声が大きい
ー すぐに、怒る(叱る?)
ー 表現がきつい
という、一見すると、とても、トップダウン的な方。しかし、社員さんは、ビクビクしているのかという決してそうではない、どちらかというと、ニコニコしている、というとても
不思議な会社。いったい、どんな秘密があるのか。
この社長さんの“話し方”を注意深く聞いていると、こんなパターンがあることがわかりました。
例えば、なにか、社長さんのアンテナにひっかかることがあると、社長さんは、
ー 即座に、その現場に自分から向かう
そして、
ー 何があったか、おきているのかを聞く
と、ここまでは予想どおりですが、次に言う言葉は
ー “あなたに期待していることは、こういうこと”
を先に話をしてから、
ー どう進める、改善する、やり直すといったことを相手から聞き出す、
不足していることがあれば、社長から大まかな指針を出す
となり、最後に、この一言
ー ”じゃ、任せたからな”
で、社長さんはさっさと席をたち、次の相手と話はじめているという感じなのです。
瞬間的にスィッチがはいり、声が大きく、かつ、表現がきついので、社員さんも、さぞ、疲弊しているのではないかと、思っていたのですが、現実は、まったくそうではなく社員さんの入れ替わりもほとんど起きず、そして、この時代にあって、さらに売上を確実にしている会社でした。
表面的なやさしさ、きびしさは別にして“じゃ、任せたからな”の一言で、相手の懐にドンと飛び込んでくるこの社長さんの言葉。おそらくは、最初から最後まで、指示しまくってしまうほうが、よほど楽かもしれないこの社長さん、そんな方の、この言葉からも、何か学ぶことがあるのかもしれませんね。
客観的に、この社長さんの話し方を分析していると
- 事実確認をしているときは、相手の言葉を遮らず、“なんで、やっていない?”という問い詰めはない。
- その上で、どうしたらよいか、相手の考えを問う
- 社長から出す指針、指示は、細かすぎないということで、相手の言葉、考えをしっかりと引き出し
- “あなたに期待していることは。。”を最初から明示する
- “じゃ、任せたからな”で、締めくくる
というふうに、相手が理解できるようにボールを渡しつつ、相手の自律性や“期待されている感”、“任された感”を引き出す工夫をしているということなのかもしれません。
ここで、ふと気がつくことは“あなたに、期待していること”を社長さんが最初に明示することにより話し合いの中身トーンが“何を目標にし、達成しようとしているのか”
に話が向かい、そのための手段をいろいろ議論を客観的にするという風になっていることです。すなわち、“期待していること、期待されていること”で共通認識を最初につくり、それから、具体論を話し合うという順番・・・
しかし、もし、これが、社長さんが気になったこと、一つ一つについて“あなたが、やっていること、やっていないこと”を話し合いの中身にすると、どうなるでしょうか。そこからは、共通認識を持つことは難しくただ、追求する側、追求される側の攻防にしかならないのかもしれませんね。そして、“あなたが、やっていること、やっていないこと”が気になっていると最後の“じゃ、任せたからな”の一言は、なかなか言えるものではないのかもしれませんね。
今日も一日、わが職場、わが社において、上司と部下さん同僚どうしの話し合いにおいて、まず“達成したいこと”は何か、という共通認識を最初につくり、そこからどんな
行動・手段をとるのかをはっきりさせることにより、お互いにとって、心地よい、自律的な“任され感”を滋養することを試みる一日としましょう。