心がスキルを高める

今日は7月12日日曜日です。

“作業療法”という言葉があるようです。

英語では、Occupational Therapy、すなわち、 “仕事(業務)を通じた治療”ということのようです。

なんらかの病により、体や言葉がうまく使えなくなると、それに対するリハビリが行われますが、これまでは、うまく動かない機能しない部分を、”機能させる”対象として、単純な動作を繰り返す ということが通常だったかもしれません。

これに対し、作業療法は、こういう考えをとるようです。 “作業療法は、関節が動かせる、体が動かせるといった 基本的な動作からもう一歩ふみ込んで、日常生活上の色々な動作や手工芸など、人が行う「作業活動」を通じて、機能回復や残された能力の活用をはかる治療・訓練を行う。” とのこと。

単純なリハビリをつづけても、なかなか機能回復がしない しかし、障害をもった方がやりたいことに焦点をあて、そのための取り組みを促すと、体が動くようになるということのようです。

また、通常のリハビリ環境では、できるだけバリアフリー にしておく。その方が安全だし、“リハビリのメニュー”をこなすためには理想的な環境なのかもしれません 。しかし、作業療法では、普段の環境で作業や活動を行うとのこと。バリアがたくさんあふれている状態。 これを、”バリアありー”というそうです。

危機管理の準備はしておきながらも、 わざと、そうした環境で“やってみたいこと”、

“楽しそうなこと”をさせるとすると、  

  □ やりたいこと(目標)が見える 

  □ 普通扱いされている(自分は“変”ではない!)

  □ 努力する、工夫する、すこしづつできるようになる

  □ 人から認められる、褒められる、役にたつ感が得られる

  □ モチベーションが上がる

ということが起きるとのこと 。そして、そこで一番大事なことは

  □ 障害をもった方の体を動かすこと なのではなく

  □ 障害をもった方の“心”を動かすこと 。すると体も動くとのこと

  (引用元:藤原茂さん)

医療、治療は、まさに人と人との真剣な関わり合いの場面 そんな場面から得られている“作業療法”という知見 。それは、普段の家庭生活や職場でも、同じように通じる ところがあるのかもしれませんね。

【今日の目標】

例えば、会社では社員に様々な能力を求め、 スキル、技術、技能、知識等 様々です。

何かのスキルが足りなければ、そのスキルを埋めるための 教育、訓練、学習を行います。しかし、これは、いわば、従来のリハビリのようなものかも しれません。

  □ できない”こと”、できるようにさせる

その時の上司の視点はその出来ていない“こと”に集中しているかもしれません。

しかし、作業療法士の視点にたつと、

  □ この部下の心が動くために、自分はどんなことができるか

ということになるのかもしれません。

そして、その上で、その“部下の心が動く目標”を部下が自ら達成するスキルを高める自発的な活動、行動を促すということになるようです。

すなわち、視点は 

  □ できていない”こと”という、その人のごく一部を捉えた視点

から

  □ その人のスキルのみならず、心までをも捉えようとする 大きな視点

ということなのかもしれません。 そして、そんな“作業療法”は、従来のリハビリよりは明らかに効果が違うようです。

今日も一日、家庭や職場において、自分が家族・ 職場の仲間・部下・上司をみたときに、自分の視点はどこに向かっているのか、どのくらいの大きさで 何を捉えようとしているのかを、さらっとふり返り家族・そして職場の仲間一人一人の心に近づき、その心がさらに元気に動くことをさりげなく促してみる一日としましょう。

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