今日は、6月29日月曜日です。
今日の一言
“成功も失敗も、それを人に話すことにより、それは 経験から知恵となる”。
(原典:ある中小企業の製造部長さん)
以前ある会社さんを訪問し、昼食を一緒にしている時に伺った言葉です。
起きたこと、それが成功したことであれ、失敗したことであれ、それを自分のなかにただとどめておくと、それは記憶という形でした保持されない。
しかし、それを“言葉”として他の人に伝えようとすると、それは、自ずと概念化し、自分にとっても、他の人にとっても有益な知恵となるということのようです。
なんとなく感覚で納得できる言葉ですが、これは、なぜでしょうか。
一つのヒントが言葉の特徴のようです。口から発する言葉は、抽象化された意味を表現する音声を時系列に順番に配列したものです。複数の言葉を同時に発することはできません。
これに対し、記憶は様々につながった細かな記憶の集合体のようなもののようです。成功体験は、その場の喜びの感覚であったり、失敗体験からは、ぞっとする感覚、叱られたこと、悔しい思いなどが、ランダムに思い返されるようです。複数のことを同時に思い返すこともできるようです。
すると、言葉にする、ということは、そのランダムにつながっている様々な記憶を、相手にわかるような言葉に置き換え、構成立てをし、そして、時系列で表現するために相手に理解できる順番に並び替える作業がそこにあるようです。
この、人に話すという作業を行うことにより、ランダムに記憶されている経験から得られた様々ことに、一つの“かたち”(構造化)を与える効果があるようです。
そして、一度構造化したことは、“こうしたら、こうなる”、という知恵としてその人にとっての強い武器になるようです。
日々の家庭や職場において、わたしは日々の体験をどの程度人に話をしているのか、あるいは聞いているか。そんなことをさらっと振り返ることもよいことかもしれませんね。
とはいっても、誰もきいてくれなければ、自ら話し出すことはなかなか難しいようです。日記を書く、という手も有効のようですが、やはりフィードバックがあるほうが人は何かとうれしいようです。
すると、成功体験であれ、失敗体験であれ、それをお互いに話し合い、そこから自分が教訓として学べることは何かを話し合いができる場。そんな闊達な話し合いできる場を持つ家庭や職場が、人の学びを促進させる土壌を持つということなのかもしれませんね。
そして、そのためには、相手の成功を素直に認め相手の失敗を糧として受け止めるという姿勢が、その家庭や職場の一人一人、そしてなによりもリーダーに
求められているのかもしれませんね。(なぜか嫁さんの失敗談を受け入れられていない自分がここに。。。)
今日も一日、家庭や職場において、“相手の成功を素直に認め相手の失敗を糧として受け止める”姿勢をさらっと心におきながら、昨日のできごと、そこから学んだこと
今日したいことを、何気ない会話のなかで交わすことを試みる一日としましょう。