今日は、12月18日金曜日です。
【サービス品質RATER編】
製品、商品の品質は、その製品、商品の仕様であったり 性能そのものが、品質として受け止められるようです。ある、パソコン会社であった会社が、なんとかPADとかいう製品を出しましたが、やはり、注目はその機能、使い勝手 そして、利用できるソフトウェアに集中しているようです。
では、サービス産業はどうか。 サービスという商品は、モノという商品と異なり、
□ 提供と消費が同時
□ 事前に、商品をよく吟味できない
すなわち、機能、仕様という側面で評価しにくい という特徴があるようです。 すると、
“サービス”という目に見えない商品の品質はどのように図るべきなのか、という疑問がでてきます。
そんな疑問に、それってこれかもしれないというRATERというモデルをみつけましたので、ご紹介です。
—(ここから)—
□ Reliability(信頼性) ⇒ 約束通りのことが実行される
□ Assurance (確実性) ⇒ 深い知識をもっており、それが伝わってくる
□ Tangibles (触感性) ⇒ 良い品質の設備や人が提供される
□ Empathy (共感性) ⇒ 思いやりがあり個々人に注意が払われている
□ Responsiveness (即応性) ⇒ 更にもう一歩踏み込んで支援されている
で、英単語の最初の人文字をあつめて「RATER」です。
—(ここまで)—
(原典:Zeithaml Parasuraman Berry マイアミ大学)
さて、このモデルを顧客の側から眺めてみましょう。
□ ある会社や施設が、約束通りのことを実行してくれるかは、
実行されないとわからない。
→ 他人の体験(クチコミ)がものを言う
→ 最初の関わりでガッカリしたら、もう選ばない
□ 相手が深い知識をもっているかどうかを最初の 接近の時にわかる
→ 最初の“プロである”という印象が重要
□ 実際にサービスが提供される場がきれいでない、 担当される方に不安
を感じると、そこで、見限られて しまう
→ 子供向けの遊園地の植栽にクモの巣があると。。ということですね
□ 実際のサービス提供において“わたし”のことをみていないと感じると、
心が冷めてしまう
→ サービスは“人”に直接働きかける商品 ということですね。
□ そこまでやってくれるの? という驚きを感じるくらいの徹底ぶり
→ “感動のサービス!”
ということになるようです。そして、たとえもの作りの会社においてもその“もの”を 評価したり採用するのは“もの”ではなく“人”、すなわち、そこには、必ず“人に直接働きかける”瞬間があり、それはすなわち“サービス品質”が問われる瞬間 でもあるようです。
素晴らしいサービスだった! と、感動した思いは、誰しもが一度や二度はお持ちではないでしょうか。
かなり以前に、自分の体験を紹介したことがありました。
□ 冬の北海道、地方空港から近くの地方都市に向かう連絡バス
□ 外は吹雪模様、足下はすべりやすい
□ あるおばあさんが、途中のバス停で降りようとする
□ しかし、そこからおばあさんの家までは遠いかも
□ そこで、運転手さんが、無線ラジオで、バス停にタクシーを呼んだ
□ そして、おばあさんが無事タクシーに乗り込むまでお手伝いをした
□ バスは5分遅れで出発したが、だれもそれに文句をいう乗客はいなかった
というお話です。
このRATER モデルで評価すると
□ 信頼性:タクシーはしっかりバス停でまっていました
□ 確実性:運転しながら無線を使い、タクシーを呼ぶという
技をつかっていました(感心!)
□ 触感性:マイナス5度の外気のなかで、暖かいタクシーの
車内は、とてもありがたみを感じるでしょう
□ 共感性:運転手さんはおばあちゃんのことを本当に心配していた
□ 即応性:おばあちゃんが雪の上ですべってはいけないととっさに判断し、
運転席からはなれてタクシーに乗せる手助けをした
ということがわかります。
すなわち、
□ サービスを提供する側
□ サービスを受ける側
それぞれの立場において、私たちが瞬間的に、皮膚感覚で判断している、サービス品質は、なぜ、そう感じているのかまた、提供する側としては、どこを、もうしこし改善すればというヒントも、 このようなモデルから判断することもできるのかも しれませんね。
今日も一日、わが職場・わが社における “人に直接関わっている”様々な活動をふり返り、そこにおける“サービス品質”とはどのような状態なのかを、相手の視線に 立ち、RATERなどのモデルを使いながら評価し、そこから見える、“わが職場、わが社”をあぶり出すことを、さらっと試みる一日としましょう。