今日は7月14日火曜日です。
ある、研究結果です。 対話・話し合いをしている最中に、 “共鳴した” とか “同じ波長で話している”と感じる時があります。
簡潔にご紹介します。
2人の被験者がそれぞれ話をしているときと、それを聴いているときの脳の血流変化を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて調べたとのこと。すなわち、対話の状況をいろいろ変化させて、頭のどの部分が活発に動いているのかということを調べた。その結果、対話を通じて、深い理解や共感を得られていると感じたケースにおいては、双方の脳の“同じ”部分において、やはり、同時期に脳の動きが同期しながら活性化したということがわかったとのことです。
本来、聞く、話すという機能は脳の異なる部分で担当されている。 聞いているときと話しているときの担当部分が相互に活性化するようです。
しかし、“共鳴”を感じている場合は、そうではない、別の部分の脳が同時に活性化するという現象が確認されたとのこと。それは、あたかも、言語という“線”を通じて、お互いの脳が結合したかのような状態 とのこと。
そういう状態は 話が一方的になされている場合よりは、お互いに“深い対話”をしているときに起きやすいとのこと。 話を深めていくうちにお互いの世界が、次第に一つの輪となっていく感覚を体験したことはある。
そして、そんな体験は、論理というよりは、皮膚感覚で 妙に、納得感が高い ということもあるようです。
この研究は、“浅い話し合い”や“深い話し合い”というものが物理的な現象として、たしかに存在するということを示しているようです。
自分の日々の“話し合い”の姿勢をさらっと振り返ることも良いことかもしれませんね。
こんな言葉もあるようです。
“Successful knowledge transfer involves neither computer nor documents but rather interaction between people” (原典:Thomas Davenport)
大まかに訳すると
“知識の伝承をうまくやるには、コンピュータや文書ではなく、人々の関わりの間で行うこと”ということのようです。
もちろん、コンピュータにより知識をデータとして保管を しておくことは大事であり、また、文書として残し随時ひっぱりだして確認が できることも大事ですが、もっと大事なことは、それを“人と人との関わりのなか”で 伝えていく事 ということを言っているかもしれません。
今日のネタをここに付け加えると、例えば、会社で若い社員さんへの教育が一方的なレクチャーで終わっていると
ー 教えている側では、話す脳だけが機能し
ー 教わっている側では、聞く脳だけが機能し
表面的なことは伝わるかもしれませんが、本質的な ことが伝わらず結果として 、教わる側が“そうか!”と感じ教える側も“お、わかったな!”と感じるという共鳴がないまますれ違いということが起きてしまうのかもしれませんね。
そして、そうならないためには、 自分が、専ら話す立場、あるいは聞く立場であっても相手が何を感じているかを敏感に感じ取とろうとするあたかも、自分の脳と相手の脳をくっつけようとする姿勢が大事 ということでもあるようです。
今日も一日わが家・わが職場・わが社において、交わされる 様々な話し合いにおいて一方的な話すなわち、指示や断定的な言葉がとびかう頻度を何気に振り返り、お互いの思いが“同期”したときに感じる、深い納得感を 今一度思い返し、“関係性を深める”話し合いを試みる一日としましょう。