今日は、10月26日月曜日です。
今日の一言【顧客の心理】
ある日、わが嫁が、なにか楽しそうに話はじめました。曰く“今日とても面白いトラックストアに行ってきた”とのこと。よほど面白かったのか、こちらが何がどう面白いの? と、聞く前から次のようにどんどん話をはじめました。“レジで支払いをするとき、細かいのがなくて、1万円札を出した。すると、レジの若い女性が、
「福沢諭吉様、お預かりしました。ありがとうございます」
と、大きな声で、言ってくれたの。まず、それにすこしびっくり、そしたら、今度は他のレジ係の女性たち全員が、「ありがとうございます!」と、大きな声で唱和をしてくれたのもうびっくり。
そのレジの方は、その1万札を大事そうに確認しながら、レジの中に無造作に突っ込むのではなく一万札だけを特別にしまう袋があり、そこに丁寧にいれて、しまってくれた。なんだか、もうそれだけで、こちらもとてもうれしい気分になることができたん。”
この話、ただそれだけの話かもしれませんが、このような対応を思いつくこと、また、それを実行していることはなかなかできることではないようです。店によっては、一万札のような高額紙幣を受け取ると、バイトさんが“店長さ~ん、確認お願いしま~~す!”とかいって、店長さんが、こちらが出したお金をしげしげと確認するお店があるくらいです。なにか、こちらがすごく悪いことをしているような気分に。。。
でも、先ほどの“ありがとうざいます!”の唱和からは高額紙幣をもらったことの確認作業が、実にさわやかに行われていました。お買い物ですから、買う品物についている金額を支払うのは、当たり前、でも一万札のような大きなお金を自分お財布から出して支払うときは、やはりどこかで“損”をしたよう、あるいは“もったいない”という感覚があるのかもしれません。
この、“福沢諭吉様、ありがとうございます!”と唱和をしてくれらお店から帰ってきた、わが嫁は、実際に、財布から一万札をとりだし、それを相手に渡してきたにもかかわらず“うん、いい勉強をした。”と、とても得をした表情をしていた、ある日の夕方のお話しでした。
ある飲み会の場所で、さらっと実験“一万札を拾った場合の喜びと、一万札を落とした場合の悲しみとどちらが強いか?”と、聴いたところ、その場にいた全員が、落とした場合の悲しみのほうが強い、という答でした。
どうやら、人は“得をしたい”と思う前に“損”をしたくない、という思いが強い生き物のようです。先ほどのスーパーは、そんな人(顧客)の気持ちを斟酌していたのか、
一万札を払うという行為を損したという気持ちにさせないこと、さらには、ここでお買い物したことが気持ちのよい体験であることをお金をかけずに、しっかりと行っていたようですね。これは、真似る価値があるかもしれませんね。
今日も一日、日々のお仕事や取引において、お客様やお取引先に“あたなとお仕事をして・あなたから買い物をして得をした“と気持ちを抱いていただくためのお金をかけずにできる小さなこと、些細なことを考え、工夫し、試みる一日としましょう。