こんにちは。今日は、5月28日木曜日です。
ある方と Skype で、お話をしていた際の話題です。
その方曰く
”ある時、自分が、部下の立場で、上司からある仕事をするように指示された。
そして、その仕事の結果を上司に見せたところ、逐一チェックが入った。
上司は丁寧に説明し、ゴールイメージも説明してくれていた。
やり直しをして、再提出をしたが、やはりチェックと修正要求が出されてしまった。
その後、今度は、自分が上司の立場で、ある方に仕事をお願いした。
仕事の内容をきちんと説明したつもりだった。その方も誠実に仕事をしてくれていた。もともと、頭の良い方なのだ。
しかし、提出された結果は、自分が考えていた水準とは違っていた。これでは使えないと思った。
そこで、アッと思った。
前回は、自分が、このようなことを上司から、思われていたんだ。
そして、こんなことは、どうして起きてしまうのだろうか
という疑問や、モヤモヤしたものを強く感じた。”
とのこと。
すなわち、この方は、極めて短時間の間に
□ 上司 → 部下
という関係の、両方の立場を経験したとのこと
そして、その際に感じたことは
□ それぞれが、真剣に仕事をしている
□ でも、上司は、部下の仕事に不満をもってしまう
それは、なぜか?
ということでした。
この方と話しているうちに、一つのヒントが、うかんできました。
□ 上司は、仕事を部下に頼む際に、”こういう結果を出してほしい”というイメージをすでに心のなかに持っている
□ 部下は、その仕事を受け取った際には、そのようなイメージはなく、受けた指示を考えながら、自分なりに”仕事の結果”のイメージを作り始め、それに向かって仕事を進め、仕事を提出する
□ しかるに、部下から出された結果が、上司の心にあるイメージと異なると、それが引き金となり、やり直し修正、再提出となる
つまり、
□ 上司側は、仮説をもちながら仕事を命じ、
□ 部下は、そのような仮説なぞ、相知らず仕事をする
すると
□ 上司が持っている仮説と、提出された仕事の結果との差は、”上司” にしか見えず、部下には全く見えない
というメカニズムがどうも動いているのかもしれません。
そして、これは、上司や部下さんが、まじめにやっているかあるいはさぼっているかに関わらず起きることのようです。 わが職場・わが社では、上司・部下の関係において、どんなことが起きており、また、それはどんなメカニズムにより起きているのか、そんなことをそれぞれの立場でふり返り、話し合ってみることも良いことかもしれませんね。
もし、そのようなメカニズムが動いているのであればでは、それはどのように防ぐことができるのか。
行き違いは、ストレスや不信の元であり、できれば無くしたいもの。
この方との対話からいくつか思いつくこと
□ 上司が、自分が思い描いている結果イメージをできるだけ具体的に伝える
ということがあるようです。
これにより、部下自身であるべき結果との差を理解ができるようにすること
ここで問題となるのは、上司が描いているものが、どれだけ固まっているか、曖昧か…
曖昧なイメージに対して、出された結果を厳しくチェックされると、部下のモチベーションはかなり下がるかもしれません。
そして、もう一つ
□ 上司は、成果を求めるのではなく、成長を求めるというスタンス
これは、成長なくして、成果はなく、上司の要求通りに修正した成果は、成長の結果ではないから、のようです。
そして、このスタンスから得られることは
そこに、部下としての成長がみられるかどうかで仕事の結果を評価する
ということになるのかもしれませんね。
今日も一日、わが職場・わが社では、仕事の成果と人の成長をどのように捉え、日々の仕事の指示や教育システムに取り込んでいるのかをふり返り、仕事の仕組みや結果ではなくその結果を生み出す”人”を主人公とする職場・会社であることを、それぞれの立場でイメージし、自ら動くことを試みる一日としましょう。