今日は、6月8日月曜日です。
○ 今日の一言
“ Remove barriers that rob workers of their pride of workmanship”
(原典:エドワードデミング)
いつもの通りのいい加減な訳
“ 働く者から、働くことの誇りを奪うような障害を取り除く”
今日の一言は、戦後の日本に、統計的品質管理を伝授し、
日本“ 品質”づくりに、おそらく一番貢献したであろう、
デミング博士によるマネジメントの14ポイントからの一つからです。
この訳少しわかりにくいかもしれないので、つぎたして表現すると
“ マネジメントの仕事は、働く者から働くことの誇りを 奪うような
障害を取り除くこと”ということのようです。
この一言には、いくつかの大事な考えが含まれているようです。
□ 人は、自らの仕事へのプライド・誇りを自然と持つものである
という前提があるようです。なんとなくわかりますね。
しかし、もし、そのようなプライド・誇りが持てていないのであれば、
それは、なんらかの障害がそれを奪っているからでありそのような
ことに注意を払い、取り除くことがマネジメントの仕事である
ということを、今日の一言は言っているようです。
すなわち
□ マネジメントの仕事は、組織から“ 成果”ださせるという考えではなく、
□ マネジメントの仕事は、”誇りがもてる場づくり”であり、
誇りがもてれば、成果はついてくるという考えのようです。
そして、この考えに基づくと、マネージャー、経営者の目線の先は、
□ 成果という仕事の下流だけにいくのではなく
□ 働く者・社員がどのように働いているのか、誇りを
もてているのか、もてていないとしたら、それはなぜか
という仕事の出だしの部分、場や環境、しくみづくりにあてる
ということになるようです。
マネジメントの14ポイントは、1980年代に、同博士が日本との競争に
苦しんでいた当時のアメリカ向けに発表されたもののようですが、
しかし、今の私たちにとっても、大切な何かをあらためて示唆しているの
かもしれませんね。
【今日の目標】
○ では、自らの仕事に誇りを持つことへの障害となること
として何があるのか。
それは、その職場の“ 場”、すなわち、仕組み・システム
蓄積された経験、組織の価値観など、その人の問題ではなく
その人をとりまく環境、場であるとのことそして、デミング博士に
よると、個人別の”成果評価”という仕組みが、仕事にほこりを
持つことへの障害となる、ということを具体的に指摘していたようです。
???
成果評価をすればモチベーションがあがるのでは?
という気もしますね。
しかし、個人への成果評価は、次のような副作用もあるようです。
□ 上司からみると、成果を上げる社員が良く、上げない
社員がよくないという数値評価になりがちとなり、
会社内で社員の”商品化”、”モノ化”が進む
□ 社員からみると、与えられた場(仕事の流れ、リソース)
のなかでベストを発揮することが目的となるので、
社員自身により、より良い仕事の仕組みづくりや改善に
取り組む必要がなくなる
すなわち、人のモノ化がすすみ、また職場は自分たちで改善
していく、という感覚、職場との一体感を社員がもてなくなり
結果として、組織全体として成果を上げ続けることができなくなる。
ということのようです。
そうであれば、たしかに、仕事に誇りを持つというのは
難しいかもしれませんね。
人の行動や言葉、その“ 場” から多くの影響うけるとのこと。
であれば、マネジメントの最初の仕事はまさに、その“ 場”
づくりの指揮者ということなのかもしれませんね。
今日も一日、家庭や職場において、“ 自分の言葉や行動が、
そこの“ 場”をつくっているんだよね”と、さらっと心に
おきながら、ふと目につく家族や仕事仲間の、表面的な
行動・言葉にとらわれることなく、そのような目につく行動・言葉に
つながってしまうかもしれない“ 場”の要因に目線をおいてみる
ことを試みる一日としましょう。